鏡で顔を見たとき、自分の目が赤くなっていてびっくりしたことはないでしょうか。目が赤くなるのは、充血性(血管が拡張しているもの)と出血性に大別され、寝不足のときや目が疲れているとき、目にゴミが入ったとき、なにかの病気のときなど原因はさまざまです。

放っておけば数日で治ってしまうものもありますが、早期に治療を必要とするもの、生活習慣病や血液の病気など全身疾患が潜んでいることもあります。

目が赤い場合の原因とその対処法についてご紹介していきます。

目が赤くなった場合の四つの原因

<充血性(血管が拡張している)>

目が赤くなる要因の一つが血管の充血で、これは血管が拡張することで赤く見えています。充血の原因には外からの刺激や疾患などによる「炎症」と、目を使いすぎたことによる「疲労」があります。

① 外部からの刺激

目に負担をかけたり、刺激を加えたりすると炎症が生じ、目が充血することがあります。ゴミが目に入る、目をこする、コンタクトレンズが汚れている、アウトドアで強い紫外線を浴びるなどの要因が挙げられます。

② 病気

目の充血がなかなか引かない場合には、目に何らかの病気が生じている可能性があります。目が赤くなる病気には、流行性(感染性)結膜炎、アレルギー性結膜炎、ドライアイ、ぶどう膜炎などがあります。

流行性(感染性)結膜炎

結膜とは白目部分の表面膜のこと。細菌やウイルス(アデノウイルスが多い)が目に感染し、結膜に炎症を起こします。主な症状は充血、痛み、かゆみ、目やになどです。感染力が非常に強く“はやり目”などとも呼ばれます。

アレルギー性結膜炎

花粉やダニ、ハウスダストなどのアレルゲン(抗原)に免疫が反応して炎症が起こります。主な症状は充血やかゆみ、目がゴロゴロするなどの異物感です。

ドライアイ

涙の不足や質の変化などから、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。主な症状は、目がゴロゴロする、目が疲れるなどです。

ぶどう膜炎

眼の中の虹彩、毛様体、脈絡膜をぶどう膜といいます。ぶどう膜炎は、ぶどう膜とそれに隣接する組織に起きる炎症の総称です。原因は細菌感染、免疫異常(原田病、関節炎合併例、サルコイドーシスなど)、原因不明の病気(ベーチェット病)などがあります。主な症状は、充血や痛み、まぶしさ、涙っぽい、視力の低下、霧がかかったように見える、歪んで見えるなどです。

【①と②の充血が起こるしくみ】
ゴミやアレルゲン、細菌、ウイルスなどで白目(結膜)が刺激を受けると、これらの異物を排除しようと炎症が起きます。炎症が生じるとその反応として、目の血管が拡張することで、充血するのです。

③ 目の疲れ

仕事や勉強などで目を使いすぎたり、睡眠不足が続いたりすると目が充血することがあります。

【③の充血が起こるしくみ】
疲れてくると、疲れを回復させるために酸素や栄養が必要になります。酸素や栄養は血液によって運ばれるので、目に流れる血液が増え、血管が拡張することで充血します。

<出血性>

結膜(白目)の血管が破れて出血したものをいいます。
白目が血液で真っ赤に染まり、充血とは違って血管が見えません。

④ 結膜下出血

結膜下出血症例画像
結膜(白目部分の表面の膜)下の細い血管が破れて出血したものをいいます。白目部分がべっとりと赤く染まるのでびっくりしたことがある方も多いかもしれません。
原因はさまざまですが、くしゃみやせき、お酒の飲み過ぎ、重いものを持つ、生理(月経)、生活習慣病などが代表的なものですが、原因不明なこともあります。
主な症状は白目部分の出血だけで、痛みや目やに、違和感などはありません。

目が赤くなった場合の四つの対処法

① 外部からの刺激の場合は、その刺激の原因となっているものを取り除く

ゴミが目に入った場合はきれいな水で洗い流してください。コンタクトレンズが汚れているなら、洗浄したり、使い捨てタイプであれば新しいものと取り替えたりする必要があります。強い紫外線を浴びたことが原因のときには、2日程度で良くなることがほとんどですので経過観察します。これらの処置をしても充血が治らない場合には、必ず眼科を受診しましょう。海や山、スキー場など紫外線が強い場所へ出かける場合には、UVカット効果のあるサングラスやゴーグルを必ず着用しましょう。

② 充血以外に、かゆみや異物感などの症状がある場合は、早めに治療を

流行性(感染性)結膜炎

アデノウイルスには有効な薬がないため、抗炎症薬の点滴による対症療法を行います。細菌感染も生じている可能性がありますので、抗生薬の点滴を併用することもあります。この病気は非常に感染力が強く、患者さんが触ったものを他の人が触り、その手で目をこすることで感染します。特に、発症して数日間は感染力が強い時期ですので注意が必要です。感染者が出た場合には、学校や職場などでは手洗い・消毒を徹底し、タオルや食器などは患者さんと共有しないようにしましょう。

アレルギー性結膜炎

抗アレルギー点眼薬や、症状がひどい場合にはステロイド点眼薬、免疫抑制点眼薬などで治療を行います。花粉やダニ、ハウスダストなどに触れないよう、対策をすることも大切です。

ドライアイ

市販の目薬を使用してもドライアイが改善しない場合、なかなか症状が治まらなければ眼科を受診してください。正常な目の表面は、油層、液層(水分・ムチンから成る)、目の表面の細胞の3層でできています。ドライアイの原因がどこにあるかを検査で特定し、各層をターゲットとした点眼薬などで治療を行います。

ぶどう膜炎

ぶどう膜炎の多くが原因不明なため、治療の目的は炎症を抑えて、視力低下につながる合併症を食い止めることになります。治療にはステロイド点眼薬や非ステロイド性抗炎症薬、虹彩が癒着するのを防ぐために散瞳薬などが用いられます。目の炎症が強い場合には、ステロイド薬や免疫抑制剤の全身投与も行われます。

③ 目が疲れた場合は、目を温めたり、冷やしたり、十分な睡眠時間をとる

食事や休養をしっかりとることが大切です。スマホやパソコンを使う際には、1時間ごとに10分程度遠くを見たりして休養しましょう。目の疲れには、ホットタオルで温めたり、冷たいタオルで冷やしたりするのも効果的です。睡眠時間も7時間程度は確保しましょう。

市販の充血改善用の目薬は、使いすぎると目の血管が収縮と拡張を繰り返して筋トレのような状態になってしまい、さらに充血を招いてしまうケースもあります。一次的に使用するのは構いませんが、何日も連続して使うのは避けましょう。

④ 結膜下出血は、10日ほどで症状が治まるので心配なし

結膜下出血は、ほとんどの場合10日ほどで消失するので治療は必要ありません。

白目の出血は、10日ほどで症状が治まる場合がほとんどですが、出血を繰り返す場合には注意が必要です。すぐに血管が切れるということは動脈硬化が進んでいるサインかもしれず、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が潜んでいないか内科で診てもらう必要があります。

さらに10日ほど経過しても出血が治まらず増えていく場合には、白血病や貧血など血液の病気が潜んでいる場合があるので内科を受診してください。また脳梗塞や心筋梗塞、不整脈の治療などで抗凝固薬(血をサラサラさせる薬)を使用している場合、繰り返して出血することがあります。こちらも、結膜下出血が起きることを主治医に相談するようにしましょう。

板谷院長のひとことアドバイス

目が赤くなる原因には、「充血性」と「出血性」のものがあります。それぞれに対処法が異なりますし、重篤な病気の症状として現れることもあるので、ご自身で判断することなく、眼科を受診することをおすすめします。

まとめ

  • 目が赤くなるものには、「充血性」と「出血性」があります
  • 「充血」は、目の刺激や疲れ、アレルギー性結膜炎、感染性結膜炎、ドライアイ、ぶどう膜炎などにより起こります。
  • 充血のケアは、刺激や疲れはその原因を取り除き、病気の場合は眼科を受診して治療を行いましょう。
  • 「出血」は、結膜下出血がほとんどです。たいていの場合は10日ほどで消失するので心配はいりません。
  • 白目の出血を繰り返す場合は生活習慣病(動脈硬化)が、何日経過しても出血が治まらず増える場合には血液の病気が潜んでいるケースもあるので内科を受診しましょう。

目についてお悩みは、はんがい眼科へどうぞ

執筆者プロフィール

はんがい眼科院長 板谷正紀

京都大学眼科で網膜と緑内障の研究と臨床に従事。白内障手術、緑内障手術、硝子体手術などを駆使する術者として技術練磨に勤む。埼玉医大眼科教授、日本眼科手術学会総会長、埼玉県眼科医会理事、埼玉腎・アイバンク専務理事などを歴任。

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