本記事は、2020年1月30日に再更新いたしました。

鏡で顔を見たとき、自分の目が赤くなっていてびっくりしたことはないでしょうか。目が赤くなる原因は、充血性(血管が拡張しているもの)と出血性に大別され、この2つは全く異なるものです。それぞれ、寝不足のときや目が疲れているとき、目にゴミが入ったとき、なにかの病気のときなど原因はさまざまです。

放っておけば数日で治ってしまうものもありますが、早期に治療を必要とするもの、生活習慣病や血液の病気など全身疾患が潜んでいることもあります。

目が赤い場合の原因とその対処法についてご紹介していきます。

充血した目の症例画像

目が赤くなった場合の4つの原因

<充血性(血管が拡張している)>

目が赤くなる要因の1つが血管の充血で、これは血管が拡張することで赤く見えています。白目は簡単に充血します。まばたきを我慢しても充血してきます。入浴しても充血します。このような生理的な充血と病的な充血を見分けることが必要です。生理的な充血は、すぐ治ります。病的な充血の例を見てみましょう。

① 外部からの刺激

目に負担をかけたり、刺激を加えたりすると炎症が生じ、目が充血することがあります。ゴミが目に入る、目をこする、コンタクトレンズの長時間装用、アウトドアで強い紫外線を浴びるなどの要因が挙げられます。すぐ元に戻らない場合は、これらが原因で角膜に傷がついてしまった可能性があります。

② 病気

目の充血がなかなか引かない場合には、目に何らかの病気が生じている可能性があります。目が赤くなる病気には、流行性(感染性)結膜炎、アレルギー性結膜炎、ドライアイ、ぶどう膜炎などがあります。

流行性(感染性)結膜炎

結膜とは白目部分の表面膜のこと。細菌やウイルス(アデノウイルスが多い)が目に感染し、結膜に炎症を起こします。主な症状は充血、痛み、かゆみ、目やになどです。感染力が非常に強く“はやり目”などとも呼ばれます。

アレルギー性結膜炎

花粉やダニ、ハウスダストなどのアレルゲン(抗原)に免疫が反応して炎症が起こります。主な症状は充血やかゆみ、目がゴロゴロするなどの異物感です。

ドライアイ

涙の不足や質の変化などから、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。主な症状は、目がゴロゴロする、目が疲れるなどです。

ぶどう膜炎

眼の中の虹彩、毛様体、脈絡膜をぶどう膜といいます。ぶどう膜炎は、ぶどう膜とそれに隣接する組織に起きる炎症の総称です。原因は免疫異常(原田病、関節炎合併例、サルコイドーシスなど)、原因不明の病気(ベーチェット病)などがあります。主な症状は、充血や痛み、まぶしさ、涙っぽい、視力の低下、霧がかかったように見える、歪んで見えるなどです。

【①と②の充血が起こるしくみ】
ゴミやアレルゲン、細菌、ウイルスなどで白目(結膜)が刺激を受けると、これらの異物を排除しようと炎症が起きます。炎症が生じるとその反応として、目の血管が拡張することで、充血するのです。角膜が乾燥したり、傷ついたりしても、角膜を守ろうとして結膜が充血します。

③ 目の疲れ

仕事や勉強などで目を使いすぎたり、睡眠不足が続いたりすると目が充血することがあります。

【③の充血が起こるしくみ】
疲れてくると、疲れを回復させるために酸素や栄養が必要になります。酸素や栄養は血液によって運ばれるので、目に流れる血液が増え、血管が拡張することで充血します。

<出血性>

結膜(白目)の血管が破れて出血したものをいいます。
白目が血液で真っ赤に染まり、充血とは違って血管が見えません。

④ 結膜下出血

結膜下出血症例画像

結膜(白目部分の表面の膜)下の毛細血管が破れて出血したものをいいます。白目部分がべっとりと赤く染まるのでびっくりしたことがある方も多いかもしれません。

原因はさまざまですが、くしゃみやせき、ストレス、お酒の飲み過ぎ、重いものを持つ、生理(月経)、生活習慣病などが代表的なものですが、原因不明なことが多いです。

主な症状は白目部分の出血だけで、痛みや目やに、違和感などはありません。

目が赤くなった場合の四つの対処法

①目に異物や外傷を受けた場合

時に目に異物が入ったときや目の打撲に伴い目が赤くなったときはは、すぐに眼科受診して、角膜や強膜が傷ついていないか、結膜が破れていないかを確かめてもらい、問題が起こっていたら、その治療が必要です。

②充血以外に、かゆみや異物感などの症状がある場合は、早めに治療を

流行性(感染性)結膜炎

「はやり目」などのウィルス性結膜炎は、充血と目ヤニといった症状に伴って出血が見られます。特に、急性出血性結膜炎は結膜下出血が起こりやすいことで知られ病名に含まれています。原因のウイルスには有効な薬がないため、抗炎症薬の点眼による対症療法を行います。2次細菌感染が生じる可能性があるため、抗生剤の点眼を併用することもあります。

この病気は非常に感染力が強く、患者さんが触ったものを他の人が触り、その手で目をこすることで感染します。特に、発症して数日間は感染力が強い時期ですので注意が必要です。感染者が出た場合には、学校や職場などでは手洗い・消毒を徹底し、タオルや食器などは患者さんと共有しないようにしましょう。

アレルギー性結膜炎

結膜充血は必発ですし、かゆみで目をこすって結膜下出血を起こすことがあります。抗アレルギー点眼薬や、症状がひどい場合にはステロイド点眼薬、免疫抑制点眼薬などで治療を行います。花粉やダニ、ハウスダストなどに触れないよう、対策をすることも大切です。

ドライアイ

市販の目薬を使用してもドライアイが改善しない場合、なかなか症状が治まらなければ眼科を受診してください。正常な目の表面は、油層、液層(水分・ムチンから成る)、ムチン層の3層でできています。ドライアイの原因がどこにあるかを検査で特定し、各層をターゲットとした点眼薬などで治療を行います。

ぶどう膜炎

ぶどう膜炎の多くが原因不明なため、治療の目的は炎症を抑えて、視力低下につながる合併症を食い止めることになります。治療にはステロイド点眼薬や非ステロイド性抗炎症薬、虹彩が癒着するのを防ぐために散瞳薬などが用いられます。目の炎症が強い場合には、ステロイド薬や免疫抑制剤の全身投与も行われます。

③ 目が疲れた場合は、目を温めたり、冷やしたり、十分な睡眠時間をとる

食事や休養をしっかりとることが大切です。スマホやパソコンを使う際には、1時間ごとに10分程度遠くを見たりして休養しましょう。

目の疲れには、ホットタオルで温めたり、冷たいタオルで冷やしたりするのも効果的です。睡眠時間も7時間程度は確保しましょう。

市販の充血改善用の目薬は、使いすぎると目の血管が収縮と拡張を繰り返して筋トレのような状態になってしまい、さらに充血を招いてしまうケースもあります。一次的に使用するのは構いませんが、何日も連続して使うのは避けましょう。

④ 結膜下出血は、10日ほどで症状が治まるので心配なし

結膜下出血は、ほとんどの場合10日ほどで消失するので治療は必要ありません。

白目の出血を繰り返す場合は
動脈硬化や血液の病気が潜んでいるサインかもしれないので内科などを受診して!

白目の出血は、10日ほどで症状が治まる場合がほとんどですが、出血を繰り返す場合には注意が必要です。すぐに血管が切れるということは動脈硬化や高血圧で血管が柔軟性を失っているサインかもしれず、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が潜んでいないか内科で診てもらう必要があります。

さらに10日ほど経過しても出血が治まらず増えていく場合には、白血病や貧血など血液の病気が潜んでいる場合があるので内科を受診してください。

また脳梗塞や心筋梗塞、不整脈の治療などで抗凝固薬(血をサラサラさせる薬)を使用している場合、繰り返して出血することがあります。

板谷理事長のひとことアドバイス

目が赤くなる原因には、「充血性」と「出血性」のものがあります。それぞれに対処法が異なりますし、重篤な病気の症状として現れることもあるので、ご自身で判断することなく、眼科を受診することをおすすめします。

まとめ

  • 目が赤くなるものには、「充血性」と「出血性」があります
  • 「充血」は、目の刺激や疲れ、アレルギー性結膜炎、感染性結膜炎、ドライアイ、ぶどう膜炎などにより起こります
  • 充血のケアは、その原因を把握して、原因を取り除き、併発している問題があれば、その解決を図ります
  • 結膜下出血は、たいていの場合は10日ほどで消失するので心配はいりません
  • 白目の出血を繰り返す場合は生活習慣病(動脈硬化、高血圧、糖尿病など)が、何日経過しても出血が治まらず増える場合には血液の病気やが潜んでいるケースもあるので内科を受診しましょう

執筆者プロフィール

医療法人クラルス はんがい眼科 理事長 板谷正紀

京都大学眼科で網膜と緑内障の研究と臨床に従事。白内障手術、緑内障手術、硝子体手術などを駆使する術者として技術練磨に勤む。埼玉医大眼科教授、日本眼科手術学会総会長、埼玉県眼科医会理事、埼玉腎・アイバンク専務理事などを歴任。

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